書評 解説記事

投資初心者が次のステップへ進むために「海外ETFとREITで始める インカムゲイン投資の教科書」【書評】

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「投資をとりあえず始めてみたけど、良く分からずに痛い目にあった」
「イタリアの国債利回りが上昇。。。とか聞くけど国債の金利って一度買ったら固定じゃないの?」

投資を始めたばかりの方は、上記のようなことを一度は経験しているのではないでしょうか。

自分も読んだのは約1年前で、「株とかFXは分かるけど、ETFとか債券、REITって話は聞くけどよく分からないな〜」程度のイメージから手に取りました。今改めて読み直しましたが、非常に今生きていることが新ためて実感できたので、ご紹介させて頂きます。

今回ご紹介する「海外ETFとREITで始める インカムゲイン投資の教科書/玉川陽介」は、投資に一歩踏み出した入門者が初級者や中級者になるためにとても良い本だと思います。

雰囲気で投資をしていた人や、投資初心者を抜け出したい人が、一歩踏み込んだ投資商品の仕組みや、どのようなことが起こると値動きに繋がるのか等、ベースとなる考え方を学ぶことができます。そういった意味でまさしく投資の教科書です。

本書の目次

序章    安定・高利回りは正しい知識から
Cahpter1 世界的な量的緩和とこれからの経済
Cahpter2 債券ETFで少額資金でも安定・高利回りの長期投資を実現
Cahpter3 債券へ投資するファンドの秘密
Cahpter4 すべての投資に影響を与える「為替」のルール
Chapter5 FX取引の秘密
Cahpter6 インカムゲイン投資家のための高利回りREIT投資
Chapter7 海外REITにも投資できる
Cahpter8 長期投資に適したレバレッジのかけ方とリスク管理
終章    長期の国際分散投資は本当に正しい投資法か

以下では、この本で学べたことの極一部ですが、ご紹介します。

1. 債券の価格は利回りで決まる

2. FXの利益相反

3. 2つの指標、NAVとNOIでREIT銘柄の実力を診断

4. 為替への長期投資ならフォワード取引を知ろう

5. まとめ

1. 債券の価格は利回りで決まる

投資をやっている方には常識ですが、この考えが本書で初めて理解できました。

例えば、新規発行の債券の利回りが上昇すると、当然古い債券より新しい債券が魅力的になります。

そうすると、古い債券を持っている人は、当然古い債券の利回りを上げることはできないので、古い債券の価格を下げることで売却します。
これが、の価格が変動する理由です。

このような仕組みが、とても分かりやすく説明されています。

また、債券をまとめたETFについても、個別銘柄を例にどんな種類があるのか紹介されており、債券による投資を始めてみたいけど銘柄が分からない、という人にもとても親切な解説となっています。

2. FXの利益相反

これも有名な話ですが、FXは投資家とFX業者が利益相反(投資家が損をすると、FX業者が儲かる)仕組みになっています。
※会社にもよります

これは、FX会社が実際には顧客の注文通りに取引をしないため、顧客の損がFX業者の利益になっているためです。
悪質な場合だと、荒れ相場ではスプレッドが大きく広げることにより、ロスカットで投資家の損を確定させたりもしています。

2年ほど前にFXで火傷した自分は、ちゃんと学んでおけばよかったと痛感しました。

また、外貨投資などで「年利10%の高配当」と謳っているものが、いかにして投資家から手数料などを取ろうとしているか、について具体例を交えて紹介されています。

結論としては、FXや外貨投資などをインカムゲインのメインの投資先とするのは好ましくない、となるかと思います。

3. 2つの指標、NAVとNOIでREIT銘柄の実力を診断

REIT銘柄の実力について、まず見るべき点を解説されています。

もちろん、その銘柄の投資先の種類(住居/ビル/ホテル等)を見るのも大事ですが、より財務的な視点での解説をしています。
ちなみに、NAVとNOIはそれぞれ
NAV(Net Asset Value)は解散価値(保有した物件を全て売った時の価格)です。株で言うPBRに近いものですね。
NOI(Net Operating Income)は保有している物件からどれだけの賃料を得られているか です。

REIT銘柄を感覚で選んでいる人や、今後REITへの投資を考えている人は、Chapter6に是非目を通して下さい。

その他にも、インカムゲインの代表格である不動産投資との違いについても解説しています。

両方とも「不動産投資で収入を得る」という点は共通しているのですが、レバレッジの掛け方(不動産投資の方が大きく取れる)やリスクの入り方、などで色々な違いがあり、そういった点もわかりやすくて解説されています。

4. 為替への長期投資ならフォワード取引を知ろう

海外の債券や株に投資する際にきになるのは為替相場ですよね。

仮に株や債券で大きな利益を上げたとしても、為替相場で利益が飛んでは元も子もありません。(もちろん逆もありますが)
そういった際に「フォワード取引」でその裏目を吸収できます。

これは、買った分と同じだけの為替を逆に取引する方法です。
例えば1万ドルの株を買ったら、1万ドル分の日本円を買う方法ですね。
現在はトランプ相場で為替が色々大変動しているので、ぜひ身に付けたい技術ですね。

他にも、こういった基本的なテクニックや為替の仕組みや変動要因について紹介されています。

5. まとめ

発売自体は2014年と新しく、今後も長いこと生かせる知識が身につきます。
夢の配当生活に向けての第一歩として、また投資リテラシーの向上のために、皆さんも是非本書を手にとってみてください。

お読み頂きありがとうございました。

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